過去の情報



■タイトル 事務局短信(連載コーナー)
■最終更新日時 2004年04月02日16時17分07秒
■概要 情報が無いと更新できない悩みの解消に。いつ見ても一緒というユーザーの皆様に、こんなコーナーを作ってみました。
■本文 【2月16日】
 14日(土)朝6時すぎの「しらさぎ」で名古屋「世界劇場会議」に出かけた。NPOが公共施設を委託運営する事例が石川県(金沢市は無い)でも増えており、かつて、公共文化施設のボランティア運営をディレクターというポジションで任されていた経験もあって、この日「NPOと行政の理想的なパートナーシップを考えるラウンドテーブル」という分科会に自費で参加した。
 「指定管理者制度」の市町村実施計画が進み、急遽、当初計画していた内容からこちらに議論を変更したこともあって、イメージ以上の厳しい現実を受け止めることになった。
 僕は公共施設とNPO法人の協働は、全国的にはまだ議論が若い段階と理解している。にもかかわらず、さらに「指定管理者制度」となれば、経営能力のあるNPOしか手を上げることができない。協働を目指していたNPOは否応無く企業並努力を求められることになる。もちろん無縁と考えるNPOは多いだろうが。
 これをNPOが力をつける絶好のチャンスと受け止める考え方がある一方で、「中間支援」という私たちの使命にとって、さらにNPOの意識向上、実力向上に、ならばどのように具体的支援をするのか。要求の高い現場が出てくる程、アリバイ的支援では用を成さなくなる。
 行政がNPO法人の実務を理解せずに財団の肩代わり的にNPO法人を立ち上げる。あるいはボランティア団体が、法人格取得でさほどメリットが無いのに、過剰に法人格に期待するなど、この程度ならこれまでの「正しいNPO理解の辻説法」で事は足りる。
 次のシーンはまさしく「経営手法」がそのステージとなる。解説者は「NPOは企業並の経営努力が必要」と語るだけだか、私たちはそれを実践するスキルを提供していかなくては行けない。
 僕がこの会議に参加した頃は、「ボランティアと公共施設」がテーマだった。それから5年以上が経過し、「公共施設のNPO委託運営」の経費の中に、スタッフ人件費を計上するのは当たり前という時代となった。
このことも含め、さらに社会の変化のスピードは加速している。しかしながら総体とてのNPOのあゆみは、残念なことに、まだまだ遅い。
 翌朝12時45分着の「しらさぎ」の中で携帯が鳴った。
1時から始まる「NPOのための消費税講座」の現場から「初めのあいさつが必要だから、急いで来て」との連絡。到着時間が決まっている以上、列車の中を掛けても早くは着かない。構内を掛けぬけ、タクシーの運転手に急ぎの旨を伝えた。裏道を走り、1時2分に現場入り。5分押しで無事講座ははじまった。金沢駅から有松まで10分少々。この速さには九死に一生。

【1月24日】
 4日も連続で休んだお正月が、つい昨日のように感じられる。新年に入り「NPO助成を知るリレー研修」の最終回。2月予定の2本の自主事業の仕込み。そして、やっと「i-ねっと機関誌第5号」は印刷までこぎ付け、残り1週で発送作業完了の予定。
こうした作業を共にし、多くのことを学び、そして学ばされる「緊急雇用スタッフ」も1月から次々と雇用期限が切れ、4月には寂しい事務局となる。
 それでも、NPOで働いた経験がi-ねっとへの貴重なボランティア参画の切っ掛けになればと願っている相変わらずの、私だ。
 そんな私は豪雪であれ、自転車を置き、歩いて約30分の道のりを突破さえすれば事務所の通勤が可能なのだが、遠方から通勤しているスタッフはさぁ大変。日頃、車の恩恵に慣れてるだけあって、この雪道の悪路はまさに「非日常」との格闘だ。
 事務所の前は一方通行の狭い路地だから、1台が雪道にはまると、たちまち車の渋滞路地と化す。大勢がたかっての、車の救出劇が目の前で何度となく繰り広げられる。暗くなって戻ってきたスタッフが「全員が知恵を出し合って、何とか救出しようと懸命で、僕も粘りました」と感動する。現代人のアキレス腱をこんな風に補う光景が、街中で今、繰り広げられている。
 私の家の周囲も路地だ。家に戻ると路地の片側は綺麗に除雪され、私の家ともう片側の路地だけがすっぽりと雪に囲まれたままだ。
 春になれば溶けると、これまた相変わらずの、私なのだが・・・・・。
と、ここまでをアップした翌日曜早朝。このページを読んだかは定かでないが、早速、お隣のおばさんから電話。「あんたっちの屋根雪が、うちの車にかぶっとる!みんな出てきて除雪やっとるし、おいでまっし!」とあたたかなお誘い。休みなく2時間、スノーシャベルで近所の公園へ雪捨てと相成った。時間の経過と共に無くなるパワーを感じながら、金沢城の石垣を人力で運んだ民衆の苦労を思った。

【12月18日】
 早いものでもう年度末。先月から実は休みの取れない日々が続いている。福井、七尾、金沢の山奥と、土曜日曜は泊まりがけの仕事。夜には「相談会」で加賀、小松に出かけることもある。
 金沢の芸術村時代の友人、岐阜県可児市でお世話になったホールスタッフ、広島から尋ねて来た仲間たち、
沢山の人たちから「事務局短信読んでます」と一報がある。ページカウンターが付いていないので、どれだけの方がこのホームページに訪れてくれているかわからないが、読んでくれている人がいると知ってしまったら、更新を重要度、緊急度が一番低い仕事と位置付けたらバチがあたる。
 各地域での「NPO相談」に走り回る3名と、金沢市内の「NPO法人聞き取り調査」に出かける2名の合計5名の若い緊急雇用スタッフの仕事に報いる「調査結果報告書」を作らないと、こちらもスタッフからバチがあたる。
 人との関係が情熱に醗酵し、行動する力が沸いてくる。これだからNPOは止められない。
 (財)北國銀行産業振興財団が助成金を贈呈する式典に出かけた。中間支援という仕事に対する助成だ。益々しっかり仕事をしないと、各分野のNPOからバチがあたる。
 
【11月5日】
 昨年6月から事務局長の任を引き受けてから、大きく変ったことがある。金沢市民芸術村で活動していた時以上に名刺の数が増えている。裏書しないと何処で会った人かすぐにわからなくなる。突然遠方から訪れるNPO団体の人。イベントや講座で大量に頂く色取り取りの名刺。いろいろな立場で、違った人生を名刺で交換する。
 NPO活動の財産は「人脈」だ。個人の「手腕」はその次か、又その次くらいのものだ。そう思えるようになったことが、名刺の多さと比例した、一番の変化だ。 寒くなったから人肌が恋しいという事ではないが、人脈が増えれば増えるほど、人の在り様に切なくなったり、悲しくなったりすることがこの頃多い。
 「NPO相談会」で知り合う活動家や、予備軍たちが抱える問題に、そうした「人」の問題もある。NPO社会の充実に向けて、使命を共有し、活動を共にすることがいかに難しいか。代書屋が定款書きを商売にするようになってきたと聞く。何故この法律が日本の社会に誕生したのか、「100NPO法人のヒヤリング調査活動」の結果を報告するスタッフの話を聞きながら、問い返している。

【10月3日】
 先月28日、午後から金沢市緊急雇用対象事業のためのパート採用面接を行う。30分置きに事務所に来ていただいた8名の内、2名を採用した。当日は天気も良く、朝から全部の窓は開けた。車でいらっしゃる方のために、昼から事務所前の駐車スペースの鎖もはずした。
 事務所前は長町武家屋敷跡の観光コースになっているため、日常観光客など人通りは多く、事務所をこのように開放的にしておくと、観光コースを聞きにきたり、窓から中を覗いたりする方もいる。開かれた開放的なイメージは、ごみ捨て当番のおばちゃんとの会話にも繋がってきた。
 金沢の街は一方通行の狭い道が入り組んでいる。私は古くから、この街の交通手段には自転車がベストという確信犯を貫いている。この日は駐車スペースへの出入りが多いと考え、自転車はいつものように鍵をかけないまま、隅の方に寄せて置いた。
 夕方6時頃、面接結果も出て、この日は夜の講義があるため、後片付けを済ませ、鍵をかけて外の自転車に乗ろうとした。「あれっ!ない!自転車がどこにもない!」鍵を掛けたのも含めると過去4台はこんな経験があったので間違いなく盗まれた!「まさかこんな開放的な目の前で!」絶句してしまった。前期の緊急雇用事業が終わり、事務所を去った高森君が置いていった、尻が破れる自転車にまたがり、講義会場へと向かった。
 安心、安全のまち。そして6ヶ月しか働けない採用者。自転車の痛いサドルからいろいろな想いが伝わってきた。

【9月12日】消去
【8月24日】消去  
【8月17日】消去
■画像 新しい写真


(特)いしかわ市民活動ネットワーキングセンター
Copyreight2004.