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■タイトル 「公益法人制度改革」緊急学習会開かれる
■最終更新日時 2003年11月05日14時42分55秒
■概要 「改正NPO法」が施行された5月1日、県NPO活動支援センター会議室に7団体15名が集まりました。「シーズ」から提供していただいた資料などを中心に、制度改革の経緯や内容について学習し、改めて「NPO法」を市民のものにするために活発な意見交流がされました。(詳細はタイトルをクリック)
■本文 ●これまでの経緯について
 官僚の天下り先、非課税を隠れミノにした所得隠しなど、悪質な公益法人を見直すために「行政委託型独占業務執行公益法人の改革」を目的とした「行政改革」だった。2年後には「行政委託型」が取れて「公益法人改革」となった。
 さらに「法人制度」と「税制度」の改革案を別々のグループがつくり、「公益法人」「NPO法人」「中間法人」を一体化し原則課税とする案が今年2月に提示された。
 グループメンバーの情報提供によってやっと表面化され、新聞などに露出し出してからNPO側の猛反発もあり、3月になって自民党行革本部の委員会が「当面NPO法人の除外」を政府に申し入れた。
 3月末内閣での決定を前に、公益法人協会側も中間法人への一体化を批判し、「公益法人制度改革大綱(仮称)」は5月にずれ込む見込み。

●改革案の基本構造について
(1)社団、財団の「公益法人」「NPO法人」「中間法人」を一体化し「非営利法人」とする。その主な中味は「公益性の有無を問わない。基本金が必要(中間法人並だと300万)。法人税が必要となる。解散時の財産分配ができる。原則課税となる。等」
(2)一定の登録要件を満たすものは「登録非営利法人」に昇格できる。その主な中味は「明確な社会貢献性(現在のNPO法での活動分野か)。判定には過去数年の実績が必要。原則非課税。等」
(3)さらに一定の条件を満たすと、寄付金税制の対象となる、現在の「認定NPO法人」のようなものに昇格できる。

●意見交流
・改革案における一定の登録条件がとてもあいまいだ。
・営利事業に課税されることは理解できるが、非営利事業も課税になるのは、非営利活動が認知されないのと一緒。
・時代の要請によって作られる「特別法」を一体化することに無理がある。
・日本ではNPOの社会的基盤がまだ弱く、これからNPO活動によって市民が成長するのに、国からの監督が強化されることは障害になる。
・現在のNPO法のメリットは組織体としての実績を積み上げることが出来る点にあると思う。また、極めて気軽にそうした体験を沢山の市民ができる可能性を持っている。改めてNPO法の可能性を考えたい。
・経済的基盤が脆弱でひん死のNPOが多数の中、基本金がなければ設立できないとしたら、この辺は改革されるかも知れないが、そうなると多様性にブレーキがかかる。
・今回のNPO法改正の中に「暴力団排除」の部分が盛り込まれたように、それぞれの法の中で、律するべき。
・明治から続いている公益法人を現代に合ったNPO法の側へ改革し、公益法人が独占している事業を市場へ提供すべき。介護保険によって医療福祉NPOが県下では6割になっているように、収益率のある非営利事業が、社会を活性化すると思う。

●今後の展開
 これからも「改正」の動向を注目し、動きがあった時には、その必要に応じた対応(学習会、シンポジウム、集会など)ができるように、メールを活用した「ゆるやかなネットワーク」を作ろう。
■画像 学習会の様子


(特)いしかわ市民活動ネットワーキングセンター
Copyreight2004.